【2017春】Ryzenで組むコスパの良い自作PC【自作PC】
安心感や安定感ならばKabylake、コスパならばRyzenの今。あるいは、ネットゲームならば高クロックのKabylake、エンコードや3DCGのレンダリングならば多コアのRyzenという感じ。
また、一部でRyzen人気のせいか価格設定がおかしなことになっているけれど、1700で40000円前後、1700Xで50000円前後、1800Xで64000円前後がご祝儀相場を含んだ現在の適正価格なので要注意。間違えると、コスパの悪い自作PCになってしまう。
ちなみにRyzen関係(CPUやMB)はかなりの品薄状態が続いているので、CPUやMBの供給が再開されだすと、待っていた人が一気に集まり組み上げようとして、他のパーツまで品薄になる可能性あり。なので、一度で揃えようとはせずに目当ての他のパーツから揃えていったほうがいいかもしれない。
Ryzenの需要と供給のバランスが整うのを待てない人はIntelのCore i7 7700Kが無難。MBを7700Kに対応したものに変更すると、同じようにコスパの良いインテル系の自作PCになるはず。
コスパを考慮したパーツの想定予算の目安
とりあえずコスパの良さそうな自作PCを組むのに必要になりそうな予算の目安。もちろん、絶対の予算ではないので、自分の使用環境やこだわりに応じて増減可。
以下は、この程度掛ければ、そこそこの処理性能(エンコードや3DCGのレンダリング、それほど負荷のかからないゲームなどが可能)を持った自作PCが組み上がるだろうという一例。
- CPU:40K前後 (Ryzen 7 1700)
- メモリ:10~15K前後 (DDR4-2400~DDR4-3000。まだ高騰中)
- MB:15~20K前後 (拡張性等を考慮してATX。不要であればMicroATX他でも可)
- CPUクーラー:0K (Ryzen 7 1700付属の純正品使用)
- GPU:15~29K前後 (GTX1050Ti~GTX1060)※
- SSD:10K前後 (256GB~。まだ高騰中)
- HDD:10K前後 (3TB~)
- POWER:7~15K前後 (650W Bronze~750W Gold)
- PC-CASE:5~12K前後程度 (入れ物~スタイリッシュ)
- OS:15~26K程度 (Linuxの場合はOS含まずで算出)
- 合計:112K(OS含まず)~、129K(OS含む)~ (GPU等高いものを選ぶと↑)
※ Ryzenはグラフィック機能のない純然たるCPUなので、GPUは必須パーツ。ここではGTX1050Tiを最低ラインにしているけれど、ゲーム等をせずに映れば良いというだけであればもっと安いGPUを選んでも可。
CPU
AMDから新たにRyzenが発売されて、漸くINTEL一択から選択肢が生まれた状態。エンコードや3DCGなどのコア数の多さが有利な処理についてはRyzen有利、ゲーム系については相性があるものの、INTEL有利といった状態。
注意点としては、RyzenはAPUではなくCPUでグラフィック機能が搭載されていないためにGPUが必須(映すだけであれば安価なGPUで良し)となること。
また、Ryzenは空冷のCPUクーラーが付属しているものと付属していないものがあるので、付属していない場合やより高い冷却性を求めるのであればサードパーティ製の空冷や水冷のCPUクーラーが必要になる。
ちなみに記事を書いている現在の適正価格は、Ryzen 7 1700やCore i7 7700Kであれば四万円強程度。品薄の影響なのか、一部で妙に高騰しているので要注意。 また、Ryzenの放熱は非常に優秀で、殻割りの必要性はない様子(記事下方向にリンクあり)。
MEMORY
新CPUの発売に合わせて品薄になっているのか便乗値上げされているのか、DDR4全般で高騰状態。昨年末の2倍近い価格になっているので頭の痛いところ。落ち着くまでにはまだ暫く掛かりそう。
懸念要因としてはアメリカの利上げが予定されていて、ドル円が円安ドル高傾向にあること。PCパーツは為替の影響をもろに受けるので、場合によっては半年待っても値が下がらない可能性あり。
CPUの世代交代に合わせて、対応するDDR4のスペックも上がってきているので、買うのであればDDR4-2400以上のもの……OCするのであればDDR4-3000前後でコスパの良いものを買いたい。
ちなみに上記サンプルは最安値が2400のほうが10K弱、3000のほうが15K程度。
MB
AMDのRyzenに対応するソケットAM4のMB(X370系、B350系どちらも)は品薄というよりも品物の絶対数がまだ少ない状態。これから増えてくるので、急いでいないのであれば発売を待つ(高騰も落ち着くかもしれない)もよし。
ちなみにRyzen向けのMBはKabylake向けのものに比べて安価なので、コスパの良いPCを組みやすい。Ryzenは完全なる新世代のCPUなので、対応するMBのBIOSの成熟度はこれから。
INTELのKabylake向けのMBはRyzenの登場によって多少安くはなったものの、残念なことに思ったほどの値下がりはなし。ユーザー数の多さによるサポートの厚さや成熟性に裏打ちされた信頼感という意味ではAMDを上回っている。
CPU-COOLER
基本的にKabylakeに使用するのあれば、LGA1151に対応したものを選べば問題なし。Ryzenに使用する場合のみ、プレートの対応状況や有償無償のプレートについて気をつける必要あり。
※ ちなみにRyzen 7 1700には純正のCPUクーラーは付属していて、Ryzen自体がなかなか放熱性が良く、CPUクーラーもなかなか冷えるようなので、純正品に不満が出ない限りは不要。
※※ 虎徹は別途販売されているAM4プレートで取り付け可能になる。
ちなみにRyzen 7は放熱がかなり優秀で、殻割りの必要はないらしい。殻割りすることで保証を切らさず、安心してOCを楽しめそう。
GPU
GTX1080Tiが発売されて、GTX1000番台がある程度出揃った感じのNvidia。一方、新世代のR500番台(Vega)の発売を控え、Ryzenのように話題を引っさらいたいAMDといった状況。
とはいえ、Vega搭載のGPUはまだ発売されておらず、実際の性能もまだまだ不明なので、今選ぶとしたらGPUの信頼性やソフトの対応状況などで圧倒的にNvidiaのGTX1000番台といった感じ。
将来的にバーチャル3D関係のソフトを楽しみたいのであればGTX1060以上のものを。ほどほどで軽いゲームをちょっとやるくらいであればGTX1050Ti。そこそこ以上の性能がほしいのであればGTX1070以上のものを……といった感じ。
SSD
高速で読み書きできるM.2 SSD(読み書きの激しいゲーム等向け。3D TLC NANDと比べて高価)と、TLCに比べて耐久性に優れた3D TLC NANDのSSD(通常用途向け、比較的容量大で安い)が相次いで各社から発売されて一般的になりつつある。
価格面ではSSD全体では高騰が続いている状態で、メモリほどの高騰は見せていないものの、それでも一時期に比べると、かなりの割高の印象が強い。
ちなみにM.2の発熱は相変わらずなので、小さなヒートシンクを取り付けたり風を当ててやるのが吉。現在は256GB~512GBが一般的な容量。
ちなみに上のサンプルはコスパの良いものではあるものの、上記の予算内からはみ出してしまう商品なので、予算内に納める場合は256GB前後の3D TLC NAND SSDを探すと吉。
HDD
一部で超大容量(16TBなど)のHDDが発表されているものの、相変わらず3~4TBが最もよく売れている。為替の影響で値段が下がらないために4~6TBが売れ筋層になるにはもう少し時間がかかりそう。
3TBで9K前後、4TBで12~15K程度。メーカーによってやや差があり。また、色違いの耐久性に優れたものは1.5倍程度の値段。
この辺はSSDやメモリの高騰と同じ理由のほか、一般的な使用だとそこまで大容量のデータを保存する必要がないということに影響されているのかも……。ケイタイ等で4K動画等をバシバシ保存するようになったら一気に変わる可能性も……。
POWER
電源は他のパーツほどには影響を受けておらず……といった感じの値動き。PCパーツの省電力化が進んでいるとはいえ、PCに一定の拡張性を持たせたいのであれば、600W以上の電源が欲しいところ。
多少の余力を持って750W Gold認証、フルモジュラーのものをチョイス。GPUの2枚差しなどを行うときは当然ながらもっと大容量の電源を選択したほうが無難。
PC-CASE
Fractal Designのミドルタワー型ケースが根強い人気を持つ一方、Mini-ITX用の小型PCケースの人気も高い。スタイリッシュでありながら拡張性を取るか省スペースを取るか、という感じの様相。
当然ながらMini-ITX用の小型PCケースの場合は、CPUクーラーやGPUの長さなどに制限を受けるので、それらも小型のものを選ぶ必要あり。また、拡張性が低いので、HDDを増設する場合などは結局、PC周りにそれらが増えていく……ということになる場合もあり。
ちなみに上記サンプルはスタイリッシュなお高いケースだけど、拘らないのであればPCケースは費用を抑えやすいパーツなので、グラボやCPUクーラーのサイズ、HDDの増設数などを考慮しつつお安いケースにすることも可能。
OS
新CPUに対応するのはWindows10以降となっているので、今更、旧VerのWindowsを選択する必要はなし。最近は光学ドライブ無しという状況も増えてきているので、USBフラッシュメモリ媒体のものを選択。
ちなみにUbuntu等のLinuxで済む用途(ブラウジング、メール、動画鑑賞、オフィスソフト程度)であればそれで済ませておき、必要になったときに買うというのものあり。サブ機を組むのであれば特に。
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